清須会議

またしても、最近読んだ本のお話。
『清須会議』三谷幸喜 幻冬舎刊

天正10年(1582年)6月2日 本能寺の変 燃えさかる本能寺本堂における
織田信長のモノローグから始まります。「熱いな。だいぶ熱くなってきた。」
そりゃもうちょっと長生きしたかったさ。
俺がさんざん「人間50年」と 謡ってきたもんだから、世間では信長様はある意味で本望だったかもしれない なんんていう奴もいるけど、とんでもない話だよ。俺のプランでは70まで生きるつもり だったんだよ。
それに(明智)光秀にはついては、俺はそれほど腹は立っていない。 光秀が謀反を起こした理由、俺には何となくわかるんだ。なんとなくだよ。 俺、光秀を追い詰めすぎたのかもしれない。光秀って男は、学もあるし剣の腕もたつ。 なのに育ちのせいか、妙なコンプレックスがあるんだよな。それにあの切れ長の一重瞼でじっとこちらを見られると、なんだか無性に腹が立ってくるんだよ。 卑屈なくせに、目つきだけ目付きだけいやらしいって最悪だろ。一度、皆が見ている前で 奴を蹴り倒したことがあったな。。。

とだいぶ雑に引用しましたが、
現代語訳というか、三谷幸喜のセリフ回しで 文章が続きます。
ご存知のように、この本能寺の変で、天下統一を目の前に織田信長
その息子の信忠が明智光秀に討たれます。
物語はその後、織田家の後継者を選ぶ会議の様子を、 それぞれの登場人物のセリフや考えを中心に紹介していきます。
歴史的には、『清須会議』と言われ、織田家のホームグラウンドだった清洲城での会議のことで、歴史上初めて会議で歴史が動いたと言われているそうです。
清須会議説明(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E6%B4%B2%E4%BC%9A%E8%AD%B0

登場人物は、家老筆頭で猪突猛進、戦場に強い柴田勝家と
その盟友で理性的かつ戦略家の丹羽長秀、
自分の意見がなく、常に強い側、有利なサイドへ加勢する池田恒興、 そして羽柴秀吉。
「情」と「利」の間で次のキャスティングボードをどちらが 握るのか心理戦が続き、
そこにお市(信長の姉)や寧(秀吉の妻)、松姫(武田信玄の娘) ら女性が絡んできます。
歴史の話なのですが、心理戦の様子は時代を超えて、迫真のリアリティがあります。
なかでも秀吉の策略と心理戦の強さはピカイチ。
黒田官兵衛も名脇役で登場します。人間のやることは、昔も今も大して変わらないなぁと感じます。
こかの企業の後継社長選びの様子みたい。
それが現代語訳で手に取るようによく解かるので非常に読みやすくオススメです。
映画化もされるようなので、こちらの作品も配役も楽しみです!

http://www.amazon.co.jp/%E6%B8%85%E9%A0%88%E4%BC%9A%E8%AD%B0-%E4%B8%89%E8%B0%B7-%E5%B9%B8%E5%96%9C/dp/4344021975

OUT OF AFRICA アフリカの奇跡 世界に誇れる日本人ビジネスマンの物語

お久しぶりの投稿です。
時事ネタだけ挙げてくと、終戦記念日に合わせたように
韓国 李大統領の竹島訪問に、連日の過激発言、尖閣と外交が喧しいですね。

でも今日は政治ではなく、最近読んだおススメ本のお話です。 …

『OUT OF AFRICA アフリカの奇跡 世界に誇れる日本人ビジネスマンの物語』
アフリカの地で「ケニア・ナッツ・カンパニー」を設立し、アフリカ人とともに働き続け、
マカダミアナッツの世界5大カンパニーの一つに育て上げた日本人経営者 佐藤芳之氏の自伝的な話です。ちょっと前にカンブリア宮殿に出ていたのでご存知の方も多いかもしれません。
佐藤さんは南三陸の出身の方。小学校3年で左目を失明し、1960年代(50年前!)に25歳でアフリカに単身渡り、28歳で2度しか会ったことない奥さんと結婚、35歳でマカデミアナッツの企業を立ち上げ、30億円を売り上げるケニアでも有数の大企業に育てました。そして69歳でそのケニア・ナッツ・カンパニーをタダ同然でケニア人へ引き渡し、自身は70歳を超えて尚、微生物を使ってトイレや汚水処理場の悪臭を抑えたり、土壌改善に役立てるビジネスを始めています。

そのケニア・ナッツ・カンパニーの経営の話がユニークです。

会社は儲ける為でなく、現地の雇用と経済への貢献を最優先するこ
、利益は再投資と従業員への還元にしか使わないことなど、
してソーシャルビジネスを実施しています。
日食べるものを確保することが最大の問題であり、縁故社会やすぐに嘘をつく
など、アフリカ人特有の文化のなかで、彼らを受け入れ、職を与え、
時には強盗に襲われながら、自然や動物にビジネスを邪魔されながら、
給与を毎月必ず支払い、従来の欧米式ではないナッツ農家を育てて、自立を支援していきます。
ちなみに、その奥さんのエピソードも秀逸!2度しか会っておらず、手も握っていないのに結婚する。新郎抜きの披露宴、ケニアの空港で「佐藤です」「佐藤の家内です」とあいさつを交わす。家に押し入ってきた強盗を追い返す・・・など素晴らしく、パワフルな奥様です。

本のなかでは、ケニアナッツカンパニーの成長エピソードと共に、
佐藤氏の含蓄あふれる考えや行動が描かれています。

「欲望には上限を」―自由と規律はセットである。
「心配は想像力の誤用である」
―まだ起こっていないことを想像して恐れるのが心配。目の前の現実に立ち向かうことが肝要
「実体のある暮らし、実体のある仕事」
「会社(Company)も仲間(Campanion)も、どちらもパンを分け合う仲間の意味」etc

シンプルな言葉でさらっと読みやすい本ですが、
そのスケールが大きくて行間に深い含蓄がありました。

あと、カンブリア宮殿に出演されていた時に、
『Better Tomorrow(より良い明日を)』という言葉を話されていたのが印象的でした。

http://www.amazon.co.jp/OUT-AFRICA-%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E5%A5%87%E8%B7%A1-%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AB%E8%AA%87%E3%82%8C%E3%82%8B%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%81%AE%E7%89%A9%E8%AA%9E-%EF%BC%AF%EF%BC%B5%EF%BC%B4-%EF%BC%AF%EF%BC%A6-%EF%BC%A1%EF%BC%A6%EF%BC%B2%EF%BC%A9%EF%BC%A3%EF%BC%A1/dp/4023310662/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1345101428&sr=1-1

 

未来ちゃん

未来ちゃん 川島小鳥(ナナロク社)

 

昨年末「ブルータス」写真特集の表紙を飾って有名になった未来ちゃん。
佐渡島のひとりの女の子の一年間を撮って、写真集。
装丁も素敵な1冊。調べたら祖父江慎さんとのこと。(吉田戦車やいいまつがい)

説明より写真で。

カメラがむいても全く意識してない感じが本当に素晴らしく、ドキッとするような表情もあってそのまま資生堂のビジュアルになりそうな大人っぽい1枚も。幅広い表情が見えます。

川島小鳥 http://kawashimakotori.com/